「奴らはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ!」
昔何かの漫画で読んだこのフレーズをふと思い出しました。今回はその時のことを記事にします。
群馬で一番と名高い朝ラーメン屋「芝浜」で私は情報を食べて来た
芝浜との出会い
群馬県は桐生市のヤオコー近くを車で走っていた時のこと、
「ここのラーメン屋、今群馬で一番っていう評判で毎日行列ができているんさ。朝7時からやっているのが特徴でさ、朝ラーメンっていう触れ込みで営業しているんさ。麺がなくなったら営業終了でさ、昼の13:00にはもう店じまいなんさ。」
運転手が群馬弁混じりでこう教えてくれました。
ラーメン好きかつ新しいモノ好きの私にこの「朝ラーメン」というワードはぐっさりと刺さります。たまたまその日は桐生に宿泊する予定があったため、翌日家族で行ってみることにしました。
ネット情報はおしなべて高評価
その日の夜に早速ネット検索したところ、確かに評判が非常に良い。中には「もうこのラーメンしか食べたくない」なんていうコメントもあります。
お店のホームページもあったので覗いてみたところ、どうやら芝浜というのは落語からインスピレーションを受けてつけた店名のようで、メニューにも落語の題目や落語家の名前がつけられていたりと、キャラクター作りが上手くできています。SNSでの情報発信も盛んで、肝心のお品書きも安価かつ魅力的なメニューばかりで非常に期待が高まります。
*公式HPより引用
朝ラー定食と名付けられた朝のメニューには全て丼が付いており、新商品のA4和牛ハンバーグ丼も気になりますが、このあたりではチャーシュー丼を出すラーメン屋が多いため、そのままシンプルに朝ラー定食も食べてみたい。しかもセットで650円と信じられない値段設定!などなど、ワクワクしながらその日は寝床につきました。
日曜朝8時のらーめん芝浜
翌朝、目的地の「らーめん芝浜」に付いたのは8:15頃。既に1組並んでいました。
待つこと数分で店内に入ると、2つある4人掛けテーブル席のうちの1つに通されます。大人2名子供1名で伺ったため、カウンターだけだときついなと思っていた矢先のことで、テーブル席があることにホッと一息。注文後すぐに子供用の取り皿とスプーン、フォークが出てきたこともあり、子供連れにも優しいお店といえます。
こちらがメニュー。昨晩ネットで熟読していたため、迷わず「朝ラー定食」と「歌丸」を注文。らーめんは「しょうゆ」「しお」「担々麺(200円増)」の中から選べるということなので、しょうゆ と しお をそれぞれ注文しました。
実食。これが「情報を食べる」ということなのか
待つことすぐにやってきたしょうゆらーめん。具材はネギだけで非常にシンプルです。
早速食べてみると、
「ん?」
「おいしくない。。」
まず脳裏に浮かんだ感情は「おいしくない」です。ラーメンというより冷麦をしょうゆスープで食べているような感じでした。スープもなんというか味気ない。無化調ということもあるのでしょうが、私の作る鳥生姜スープの方がよっぽど美味しいと感じてしまいました。
しかし、その後私の口から家族に向けられて出たのは、
「美味しいね」
という言葉でした。
これには私自身びっくりしました。このときに頭に浮かんだのが冒頭で出した「奴らはラーメンを食ってるんじゃない、情報を食っているんだ!」というフレーズです。
味覚は「おいしくない」と判断しているのに、脳は、
「ここはみんなが美味しいと言っている店なんだ。「おいしくない」と判断するお前の味覚がおかしい。」
と言わんばかりに私の記憶を美味しいという方向に修正していくのです。この洗脳が体感として感じられます。
しおらーめん。感想は同じ。
チャーシュー丼。ハンバーグ丼と合わせて丼は結構美味しい。
ちなみに情報を食べていると言っていたのはこの漫画です。ラーメン好きには結構オススメ。
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「おいしくない」と感じているのに、ネットの評判や実際に並んでいる人を見て自らの感想までも変えてしまう。
情報を食べているという事はこういう事なのかと思いました。
恐らくこの記事を読んだあなたもここまで読んで、「このラーメン屋きっと美味しいと思うよ、18号さんの好みの問題でしょ」と思われているのではないでしょうか?
そう、それが情報を食べているということなんです。
でもまた行きたい。まだ情報を気にしているのだろうか?
こんなことを書いている間でも、次桐生に行くときは担々麺を食べてみようかなと考えている自分がいます。情報に思い出補正されてしまっているのか?それとも本当は美味しいと感じていたのか?なんだか分からなくなってきてしまいました。。