12番地

「陸マイラー」のための雑記ブログ

中国出張で取引先に嫌われずに接待を乗り切るためのお酒の飲み方は「要所で飲む」がポイント

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経済発展が目覚ましく、近代的になってきている中国ですが、現場ではまだまだ前近代的な接待文化が色濃く残っており、その席に必ず出てくるのが「お酒」です。


中国の宴席では、今や日本ではA級戦犯並に忌み嫌われる「一気飲み」も当たり前のように行われています。10年前と比べると随分ましになりましたが、それでも未だに一気飲みの習慣は残っています。


その雰囲気の中で一気飲みを断ると、間違いなく取引先から嫌われます。とはいえよほど肝臓が丈夫な人でもない限り、そんなに何杯も一気飲みできるものではありません。


そこで、取引先に嫌われる事なく酒量を調整しながら宴席を乗り切る方法を、年間の1/4以上は出張で中国の宴席に参加している僕がお教えします。これから中国出張が控えている方はこの記事を読んで予習して行って下さい。

 

中国の宴席の流れ

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*画像は大阪の双龍居さんというお店。本場もこんな感じです。
食事の部屋に通されると、中国側の一番偉い人がまず座席を振り分けます。中国にも上座と下座があり、入口から見て円卓の奥が上座です。中国側の一番偉い人がこの上座に座り、お客さんである我々はその隣に案内される事が多いです(相手によっては我々が上座に案内される事もあります。その時は素直に上座に座りましょう)  。


座席について料理を注文したらまずは乾杯。都市部の場合は乾杯はビールが多く、最初は喉を潤す程度にちびちび飲みながら談笑します。田舎の方だと最初から白酒が出てきていきなり一気飲みなんてことも、、、


開始から30分ほど経ち、前菜を食べて一杯目のビールが終わった頃から一気飲み合戦が始まります。中国では一気飲みの事を「乾杯」と言い、文字通り杯を乾かすという意味で使っています。


この乾杯合戦が始まったらもう大変。何かと理由をつけて乾杯をせがんできます。

 

乾杯パターン1

中国人:「はじめまして!」

僕:「はじめまして!」

中国人:「乾杯!」

乾杯パターン2

中国人:「どこから来たの?」

僕:「東京です」

中国人:「東京か!乾杯!

乾杯パターン3

中国人:「お子さんはいくつ?」

僕:「2歳です」

中国人:「2歳か!乾杯!

 

といった具合です。もう何でもありですね。このペースに付き合っているとものの30分で潰されてしまいます。さて、どう対応するか?

 

中国宴席を切り抜けるためのお酒の作法

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まず最初の乾杯の申し入れは頑張って一気飲みしましょう。初っ端から断ると「こいつはダメなやつだ」という各印を押されかねません。第一印象でこれだとその後の取引にも影響が出てきますので、ここは頑張ってください。恐らくそれに乗じて他の中国人も乾杯をせがんできますので、可能であればあと2~3杯は一気飲みで対応したいところ。

 

宴席で役立つ3つの単語

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2~3杯一気飲みをしたら、ここからやんわりと断っていきます。その時に役立つのがこれらの単語。

 

役立つ3単語

1:一半(イーバン)

半分の意味

2:一点(イーディエン)

少しの意味

3:随意(スイイー)

飲めるだけの意味

 
中盤で乾杯をせがまれたらこれらの単語を使って対応しましょう。宴席が中盤に入ったら「一半」で半分ずつ飲み、頃合いを見て「一点」に移行します。一点の場合は一口飲めばOKです。

 
随意はこちらから言う言葉ではなく相手から言ってもらう言葉です。中盤で一点を繰り返していると、心優しい中国人の場合向こうから随意と言ってくれます。この場合も一口飲めばOKです。

 

お酒の作法をまとめると 

中国宴席の流れまとめ

開始30分:

2~3杯一気飲み

開始30分~1時間:

一半で2~3回飲んだ後一点に移行

開始1時間~1時間30分:

ここで一回一気飲みを入れる。その後一点に戻る。

開始1時間30分~終了:

一点でちびちび飲む(この辺りから随意と言ってくれます)

宴席での流れをまとめるとこんな感じです。一気飲み→一半→一点と行った後にもう一回だけ一気飲みをするところがコツです。これをすると飲めないのに頑張っている感が伝わり相手も認めてくれます。一気飲みを頑張った後はまた一点でちびちび飲んで行けばOK。この辺りから相手も随意と言ってくれるようになってきます。 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?日本で生きるサラリーマンからしたら信じられないかもしれませんが、これが中国ビジネス現場の現状です。大分ましになってきたとはいえ、この一気飲み文化はまだまだ根強く残っています。


そのうちこの一気飲み文化も無くなるのでしょうが、現時点では郷に入れば郷に従えでこの文化に迎合することが中国ビジネスを成功させる大きな手段となっています。中国での宴席を控えている方はこの記事を参考に無事乾杯合戦を乗り切り、ビジネスを成功させて下さい!

 

*全くお酒が飲めないという方ははっきり断りましょう。それでも無理強いされることはまずありません。ただし、本当は飲めるのに飲めないふりをすると後が怖いので注意してください。